#003 スニーカーのお手入れについて
スニーカーは丸洗いできる?
スニーカーが汚れたら、皆さんはどうしているでしょうか?特に私共の扱っている安全靴は、ハードなお仕事に使われる方が多いので、街で見かけるドライバーさんや現場作業をされている方々の靴がひどく痛んだり、汚れているのを目にすることがよくあります。
お仕事に使うとはいえお洒落の基本は足元から。靴はいつもきれいにしておきたいですよね。
中には洗剤を付けて水洗いをされる方や、洗濯機に放り込むという強者もいらっしゃるかもしれません。しかし私は、安全靴でもそうでなくても、スニーカーは丸洗いしない方がいいと考えています。
少し詳しくいいますと、コンバースやヴァンズのようにバルカナイズ(加硫)製法で作られていて、アッパーがキャンバス生地のもの以外は丸洗いはおすすめしません。
参照:https://loohcs.jp/articles/3276
スニーカーの製法について
スニーカーはバルカナイズ、セメント、インジェクションという3つの製法のどれかで作られていることがほとんどです。先述のバルカナイズ製法はアッパーと底の結合が強く、材料もゴムとキャンバス生地といった、水に強いもので作られていることが多いので丸洗いが可能です。(革を使用していても洗えますが保湿等のケアが別途必要です)
セメント製法はスニーカーの生産方法として現在主流ですが、アッパーとソールを接着剤でくっつけているので、剥離性能はバルカナイズ製法に比べ大きく劣ります。それに中底というパーツにパルプ(紙の原料)でできたテクソンと呼ばれる芯材を使用していることが多いです。耐水性のものもありますが、やはり水に強いとは言いがたいと思います。
最後にインジェクション製法です。アッパーと底の結合は強いのですが、底材にウレタンを使います。このウレタンは湿気に弱く、化学反応を起こして分解し、終いにはぼろぼろになってしまいます。
これらのことから、やはりスニーカー(バルカナイズ製法によるキャンバス製以外)はこまめなブラッシングと、固く絞った布で汚れを拭くのが一番いいと思います。